新型コロナ感染症の拡大で、「おめでとうございます」とはなかなか言い難い新年になりました。
今この瞬間も新型コロナ感染症拡大阻止のために戦っていただいている医療関係者をはじめとする全ての皆様に、心から感謝と敬意を表します。
そして、私事になりますが、過日、一部報道がありましたとおり、1月15日告示、1月24日投開票の山形県議会議員補欠選挙に挑むこととしました。
地域に根差す政治を目ざして「ふるさと」山形に戻り11年。山形県内をくまなく歩き続け、県民の皆様の声を聴いてきました。
多くの皆様のご支援を得て挑んだ山形市長選挙に敗れて後は、一市民として生活をしてまいりましたが、その後、同世代でもある舟山康江参議院議員の政策秘書として働き、お手伝いする機会をいただき、さらに共生社会、安心安全な社会の実現に向け、県内の多くの皆様と共通の思いを持つ機会を得ながら、活動してきました。
2020年に入ってまもなくして新型コロナ感染症の蔓延が始まりました。外務省生物・化学兵器禁止条約室長時代に、生物兵器使用があった場合という前提ではありましたが、感染症の拡大が全世界的に起こった場合の対応(シミュレーション)等を行った経験がありました。そんな経験があり、ある程度の知識や心構えはあったものの、このように瞬く間に拡大し、経済・社会への多大なる影響を与える現実を目の前に、驚き、無力感を禁じ得ませんでした。
今現在も、新型コロナ感染症が広がっており総括にはまだ早いですが、これまで判明してきている教訓の一つは、行き過ぎた自由化による様々なリスクが県民生活を脅かしているということだと思います。
大都市からの地方への回帰が始まり、食料や海外に生産拠点を移していた医療品等「命」にかかわる物資・機器等の国内生産化が叫ばれ、効率性追求のために病院を統廃合するのではなく、余裕のある医療体制を確保することが求められるなど、価値観や経済の体制、生活様式に大きな変化がもたらされています。
政府の対応は、残念ながら国民の信頼を得られるようなものとはなっていませんが、地域においては、多くの知恵や工夫をこらし、地域に合った対策がとられてきている現状があります。環境の変化をしっかり把握し、地方回帰の動き、国内生産への回帰の動き等をしっかり様々な政策の中にとらえていかなければ、地方は衰退の一途をたどるばかりです。
そして今、山形県に必要なのは「中央とのパイプ」の誇示でなく、「県民力」の向上だと思います。中央と丁々発止でやりあえる能力とアイデアを持つ人材の育成、あるいは、中央でも活躍でき、「ふるさと」山形に強い思いを持ちながら、山形にも大きな影響と利益を与えてくれる人材の育成であろうと思います。
地方の衰退を阻止し、楽しくワクワクする魅力ある地域づくり、しっかりと交渉力ある人材を育成していくために、そして何よりも、全ての基礎となる安心安全な地域づくりのためにも、県の政策遂行に、「新型コロナ後」の将来を見据えた提言をしていくことが、今求められていると感じています。
私は、今一度自らの来し方を振り返りながら、新型コロナ後の社会の中で、山形が山形らしく、平和の価値を重んじ、自立した地域となるために、私の経験と知識を活かしてもらいたいと思っております。
新たな挑戦を是非後押ししていただければ幸いです。
県民の皆様、お一人おひとりの力をつなぎ、ともに未来の「県民力」を築き上げて参ります。
2021年1月1日
梅津ようせい